Thema

身体、脳、知覚について探究が進められる中、音響現象そのものは人間にとって外界からの刺激の一つに過ぎない。しかし、これが音楽として認識されるとき、物理的な限界を越えて発生するなにものかが意識のなかに存在し、美もまたそこに起因している。
一方、人間の知覚は刺激の受容にとどまらず潜在的なエネルギーの主体的な萌芽にこそ働くべき作用であり、その肉体的な基盤となるのが呼吸ではないか。
私は、笙を通じて呼吸の作用を音楽という現象に照らすことで自身に探究の眼差しを向けている。音像表現に於ける音響の拡張も身体の生理に即してこそ充足を得ることができる。
よい呼吸はよい音楽を生み、よい音楽がまたよい呼吸の状態を促す。これが、人々や様々な自然の現象となにがしかの接点を見つける手だてとなるろう。
呼吸は連鎖する。そこには普遍の美を湛えた呼吸のプロポーションが存在する。その紛れもない現実の上に自身が存在し、さらにその延長上に表現や創造の可能性を見いだすことを本プロジェクトの目的とするものである。


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